2010年11月11日木曜日

心の病と同調行動と心理学

我が元には年間実に様々な方が来訪され又私が訪れている。

その中には身内に付き添われてやってくる方も居てその内の又何名かは突如来訪を取りやめにされる方も居る。

最初心の病を治したいと言う強い決意でご家族もご本人も来られていた筈が急に態度を豹変させ来なくなる場合が…。

これは一種の”同調行動”が成せる災いである。

心理学的”同調行動”とは例えばコンサートホールに於けるファンの一体感や政治的陽動(プロパガンダ)やそれによる暴動等が上げられる。
周りの雰囲気に呑まれ自らの冷静な判断力を奪われてしまうのだ。

翻り心の病にも此れに似たような物がある(案外こちらの方は精神科のお医者様は見逃している方が多いがw)。

例えば長く鬱病や引きこもりの方と同居していると鬱や引き篭もりが伝播し近親者が鬱や引き篭もりになるケースがある。

これこそが正に『同調行動』のマイナス要因である、その陰に有るのは辛い事からの逃避行動である。
傍に居て数々の問題や被害が発生してくると人はそれを何とかしたいと思慮する。

その内、そのトラブルや被害を与える者と同調する事により感覚を麻痺させる事を無意識的に脳が学習する。
実は此れが一番怖いのである、中毒患者の周りに中毒患者が多いのも此れと同じ理由。

それを如何に分離させ病は病としてちゃんと認識をさせ治していくか?それがセラピストの腕の差だと言っていい。
大抵の場合同胞だけに注視してその同伴者たる家族には目が行かない物である。

だが尤も注視せねばなら布は同伴してくる家族の方、こちらの同胞に対するサポート体制がしっかりしている事こそが病を克服する一番の力となる。

我々セラピストはその意味で常多角的視野を持っていなければならないのである。

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