2010年10月24日日曜日

お水と風俗とAVの心理学~或いは自己否定の心理学~

『自己否定する人は自己肯定を望む人である』

私の長年の心理学の研究の結果得た結論である、そして私はそれを実証データに基づいて証明してみせた。
職業柄多くの場所へ移動する、移動手段は様々で飛行機や新幹線、タクシーやバス、地下鉄を使う場合も…

同じ場所へ何度も通う時もあれば一度で済む場合もある。
一昨年の夏、二週連続で京都へ行く機会に恵まれた、暑い夏の事である。

仕事が終り電車を使って京都駅へ向け移動中の出来事の話。
丁度時刻が夕刻という事も有り、私は帰り、その女性はこれから”お仕事”へ向かわれる途中であった。

一発で”お水”と解る方で偶々私の目の前に座られた。
そしてこれも偶々偶然なのだがお互いの視線が交錯しそしてどちらとも無く会釈をしそこから会話が…。

相手は”お仕事ですか?”と聞かれたので”えぇ、今同胞の治療を終え山口へ帰る途中です”と応えた。
”治療?お医者様ですか?”と問われたので、”嫌、フリーのセラピストです、普段は大学で心理学を教えております”とお話した。

たった10分間だったが我々は初対面とは思えない気軽さで親しくなり御互い名刺交換をする事に…。

相手にしてみれば遠くから来た人間とはいえ、又京都へ来る事もあろうと”売り込み”に走った。
こちらもそんな事は先刻承知だが敢えてそれは口には出さずお互いの名刺を交換するに留めた。

我々の出会いは其処で終る筈だった、二度目の京都行きが無ければ…。

だがその月は異常な暑さで同胞の状態が余り芳しくなく私は始めて二週連続で京都を訪れる事となった。
そしてその帰り、前回と同じ時刻同じ電車に乗って京都駅へ向かった、そして同じように又彼女も…。

我々はお互いの”偶然”の出会いをとても驚きながらも又も会話が弾んだ。
その日は偶々彼女は”お休み”の日で神戸へ向かうべく京都駅へ向かっていた。

聞けば何と指定席券が隣ではないか((ノ゜⊿゜)ノびっくり!!)

京都から神戸まではそんな大した時間ではない(というか時間にしては10分少々)が京都駅に着いて、博多行きの新幹線の出る時間までにはまだ1時間近く有った。

偶然の出会いを祝して駅構内の喫茶店でお茶をする事とした。
職業柄”人の話を聞く事”には長けており、又、”人の悩みを見つけ出す”事にも長けている。

1時間のお茶の間に彼女の中にある”誤解”とそれに伴う”自己否定”が私にはどうも引っ掛かった。
彼女は若い頃馬鹿をした為、学校を退学となり学歴も無く知識も無かった為、この世界に入ったと言った

だが私はこう返した”接客業という物は貴女が考えて居る程簡単な職業ではない。寧ろ私の仕事の方が貴女の仕事より楽かもしれない。貴女は短時間に複数の人 間の相手を同時にする事もあるが私はそのような事をする事はまずない。私よりも貴女の方がスキルは絶対高いはずだ”と言った。

相手は大変恐縮がり激しく頭を横に振っていたが大学の先生よりも頭がいいと言われた事がとても嬉しかったのか出会った頃よりも笑顔がキラキラと輝き始めていた(私はチャンスと此処で思った)。

”今の仕事は楽しいですか?”と私。
”決して楽しくは無いけど借金も有るし私にはこの仕事しかないし…”と彼女。
”何故この仕事しかないんですか?”と私。
”だって私、学歴無いし補導歴もあるし、何処も私なんて雇ってくれないですよ”と彼女。
”なら、雇われる側ではなく雇う側に回ろうとは思わなかったんですか?”と私。
”は?私が人を雇う?先生冗談も休み休みに言ってくださいよ、そんなの無理に決まってます”と彼女。
”何故無理なんですか?”と私。
”だって私は学歴も無いし、補導歴もあるし…”
”では学歴も無く補導歴がある人は皆お水の商売をされておられますか?私の知り合いで学歴もなく補導歴もある人が刑事やってますけど彼はどうなるんですか?”と私。
”え?そんな人が居るんですか?”ととても驚いた様子でした。
”更に学歴も無く補導歴もある人間が組を一つ任され多くの人望を集め市民から愛されている人もいますけど?”と私。
”でも皆さん全員男性じゃないですか、私は女性です。男性社会の中では女性は不利なんです”と彼女。
”元・レディースの総長で今は介護士やってる奴知ってますけど?彼女は一応性別上は女性ですが”と私
”え?そうなんですか?”と彼女、流石にこの言葉には一寸心を動かされたようだ。
”元・レディースの総長で今は介護士…”彼女の中で何かが芽生え彼女の瞳に”光”が宿り始めた。
”自己を否定する事は簡単、自己を逃避させる事はとても簡単です、でもそれでは何の進展も無い。全てを否定し全てを諦めてしまえば其処で全てが終わりま す。でも、全てを肯定し、全てから逃げなければ必ずそこに『道』は見えてきます。今貴女の”心”に一筋の光が差したようにね”と私。
彼女は自分の”心”が見透かされたのがとても驚いた様子でした^^;。

その夜…彼女から一本のメールが携帯へ来ました。
それは先ほどの私の話に対するお礼と自分自身の”自己否定”を止めたいとする悩みのメールでした。
今までずっと学歴が無い、補導歴があるという事で諦めてきた”自己否定”を変えたいという切実なる願いでした。

私はその”切実なる願い”を受け止め、彼女のセラピーを受ける事を了承、そこから”改善プログラム”
を組み半年近く御互いが様々に格闘しながらそれでも徐々に前へ進んでいきました。

彼女は今、子供達の”ヒロイン”として全国を飛び回る仕事をしています。
スーツアクトレス(特撮物の中身の人)として劇団入りし全国を旅して回っています。

元々身体能力に長けている人であり、何よりも”正義感”が強かったことが幸いしたのでしょう。
お水の仕事から今はすっぱり足を洗い、”子供達の羨望”を一心に集め輝いた人生を送って居ます。

お給料はお水の頃と較べると激減しましたがそれでも彼女は”今、自分は生きてる、人に必要とされ愛されている実感”を強く感じているそうです。その後同じスーツアクターの男性と結婚、今は主婦です。

同じように大阪や中洲でも似たような境遇の人と出会い、同じようにアドバイスを差し上げました。
一人は売れないAV女優、この方はAV嬢を止め地元の劇団入りし今は劇団員として働いています。
一人は風俗嬢、彼女は体の柔らかさを活かし今はヨガのインストラクターとして多くの生徒を持ってます

皆、最初は”どうせ私なんて…”という人達でしたが今は”私は…”と自己表現をできる人となりました
自己否定からは何も始まりません、自己肯定こそが人生をやり直す事に必要な事なのです。

”自己を否定し続けているアナタ”私と一緒に”自己肯定の世界”を覗いてみませんか?
そこには未だ見ぬ”素敵なアナタ”が居るかも知れません。

その”まだ見ぬアナタ”を私と一緒に探しに行きませんか?

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