2010年10月25日月曜日

特殊性癖と心疾患…

我が元には所謂一般的に言う所の”特殊性癖”の人も年間結構な数来訪されます。

SM、スワッピング、ゲイ、レズ、男装、女装癖その他諸々…。

んでそういう人が結構重い心疾患を患っていたりするのですが大抵の場合精神科医の方々は”性癖が原因”というような診断をされる事が多いそうです。”SM?そりゃあそれが原因だ、直ぐにそういう変態的な行為は辞めなさい”と言われるケースが多いそうです。

んでそういう事を言われて尚症状が改善されない方々が八方塞となって我が門を叩かれます。

んでその方々に私は逆に質問をします”自分の特殊性癖を辞めろと言われてそれでやめて改善されましたか?”と…大抵の場合答えは”No!”でした。私から言わせれば”至極当然”と言わねばなりません。

私にだって特殊性癖とまでは言わないまでも人に喋るには憚れる趣味の一つや二つはあります(笑)
(ロボット系フィギュアの収拾癖とか、昔のアニメの動画集めとか^^;)。


”やりたい事をするな”と言われてそれで心疾患が治るならそれこそ簡単です。

拒食症の人に食え、過食症の人に食うなと言われてそれで拒食や過食が治るなら逆に言えば我々の存在なんざ必要ない訳です。それこそ一番親しい一番信頼の置ける人に言って貰った方が何倍も効果はあるでしょう。

でも実際拒食も過食もそんな簡単に治る物じゃない、依存症と呼ばれる多くの心疾患がそうであるようにそう簡単に抜け出せる物じゃないんです。

じゃあどうするか?答えは至極簡単です。”臭い元は元から断たなきゃ駄目”って事です。

つまり”特殊性癖を否定するのではなく特殊性癖に至ったプロセス乃至はその原因を究明除去する事”が一番大切な訳です。

或る例を出してご説明申し上げましょう。

何度も自傷行為を繰り返す人が居ました、家族が止めても友人が止めても行為はとまりませんでした。
本人だって自傷行為を繰り返したい訳じゃなかったでもそうしなければ行けない理由がありました。

或る時、私はその子の前で手首を切って見せました、その子は驚いて私の手首をハンカチで抑えました。
そして一言”馬鹿じゃないの、自分で自分を傷つけるなんて…”

そこで私は言いました。

”同じ言葉を返してやるよ、馬鹿じゃねぇの?自分で自分を傷つけるなんて…”

それからも自傷行為は止めずその度に私も同じ行為を繰り返しました。
私も同胞も体がボロボロ、双方共に限界に来ていました。

その子は言いました。

”アンタ本当に馬鹿じゃないの?なんでこんな私の為にそこまでする訳?そんな価値なんて私に有る訳ないじゃない”と…。

私は言いました。

”馬鹿はおめぇだよ、その価値がおめぇにねぇだと?お前本当に馬鹿だな。その価値がねぇ奴に俺がそこまでする訳ねぇだろ、俺だって暇人じゃねぇんだよ。こうみえて結構忙しいんだよ。同胞もこの傷見てびっくりしてるわ。けどな、俺に取っちゃあお前は俺にとって唯一無二の存在なんだよ。お前が居て俺が居る俺が居てお前が居る。だからお前が辞めるまで何度でも俺は繰り返す、俺はお前の鏡だ”と。

その子はポロポロと涙を流しながら私に抱きつき言いました。
”もう私体傷つけたくないよ、だってこれ以上傷つけたら先生死んじゃう、もう私自分の体傷つけたくないよと”…。

私も応えました。

”俺だってもうこれ以上傷つけたくねぇ、俺もお前を死なせたくねぇからな。なぁそろそろやめねぇか?”と…。

それからその子は徐々に自傷を辞めるようになり数週間後には完全にリスカを辞めました。
今はボランティア施設で同じ自傷行為に悩む子を救う相談員として元気に働いています。

んでその子達を私と同じようなやり方で(実際は一寸違うようですが^^;)説得しているようです。
この間偶然有ったらこういわれました”この人、この間話した大馬鹿者、クス”とね。

”だ~れが、大馬鹿もんじゃ。このガキが”私も笑いながら応えました。
”でもね、この大馬鹿者の大先生のお陰で今の私があるんだ、だから一緒に貴方も頑張ろう”と…。

今もその子は一生懸命頑張ってます。

特殊性癖が心疾患の原因ではなく特殊性癖の更なる原因が有りその先に心疾患が有る訳です。
病巣が何処に有るかを見誤るととんでもない事にもなりかねません。

出来うるならば特殊性癖=精神疾患ではなくその更に奥底にある病巣に光を充てて下さる先生が増えてくれる事を切に願います。

・・・偶には良い事言うでしょ(笑)

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