2010年10月24日日曜日

行動療法の弱点とSEED療法の補填

行動療法とは『刺激と反応』という風に観る人間の反応行動を利用した療法である。
解りやすい例をもって言うと『オペラント関連付け』という物がある。
”パブロフの犬”の話は皆さん大抵何処かで聞いた事があるだろう。
犬に餌を与える際、必ずベルを鳴らすようにする。
すると犬はベルを鳴らしただけで唾液を出すようになる。

これは犬の脳が”刺激=ベル”に対して”反応=唾液を出す”という風に覚えて居る為である。

主に依存症の同胞に用いられる行動療法だがこの療法には決定的な弱点が有る。
それは”関連付けの失敗”である。

例えば依存症の患者にその依存対象に対して嫌悪する物を関連付ける事を行動療法では行うのだが(嫌悪療法)これは失敗すると新たな”依存”を生みかねない。

依存は治らない、別の恐怖が増えその恐怖から逃げる為に別の物に”依存”する。
これでは本末転倒であり依存の度合いが増える一方である。

ならばどうするか?

我々セラピストはこういう際に用いるのがSEED療法である。
SEEDとはその名の通り”種”である。

解りやすい例を取ると某炭酸飲料会社が1960年代に行ったある実験が有る。
ある映画の何万分の1コマに1枚、炭酸飲料の写真を挿入する、これだけである。

これだけで脳はその炭酸飲料を潜在意識に刷り込ませ映画が終わった後、無性に炭酸飲料が飲みたくなりその年の売り上げが延びたという報告がある。

SEED療法はこの”絵”に当たる部分を”言葉”で行う。
会話の中に依存対象とは別の物を”言葉”として挿入する。

脳はその”言葉”を通して記憶し、徐々に依存に対する興味関心が薄れていく。
つまり”依存対象よりより強い印象(強印象)”を与える物を与えればよいのだ。

と言うは易しだが実際にこれをやろうと思えば結構大変である。
お医者様やカウンセラーは大抵面倒がってやらない(というか療法自体を知らない)。

なぜならこの療法は我がオリジナル療法だからである。
それで私は多くの依存に苦しむ人を救済してきた。

只、この療法にも欠点はある。

実際に会わないと効果が薄れるという物である。
電話やメールだけでは中々言葉を脳に埋め込む事は難しい。

脳に言葉を記憶するのは何も耳だけとは限らない。
目や耳や鼻など五感全てを使って”言葉を記憶”して貰うのが私のやり方だからだ。

そういう場合はこれも時間は掛かるが”セルフフォトセラピー”を推奨している。
依存に走るのは何かに頼りたいからである、つまり自分に対する自信の喪失が原因

なれば自分に自信が付き何物にも依存しない強い心を持てば良い。
その方法は只、一つ”自分を正しく知る事”である。

大抵人は周りから入ってくる情報で”自分”という物を計る。
だが、その周りから入ってくる情報が必ずしも”正しい”とは限らない。

嫉妬や嘲りなど”マイナス感情”もその中には多く含まれている場合が多い。
その場合それらの情報はその人にとっては”不要な情報”となる。

だが多くの場合それが”不要”な情報か?”有用な”情報か?図る事は難しい。
故にそれらを正しく判断し不要な物は捨て、有用な物のみ吸収する物差しが必要。

”セルフフォトセラピー”はこの”要不要”を知る為の物差しを得る方法である。
この療法により自分に自信を付け正確な物差しを得る事により依存から脱却する。

それを20年近くやりながら多くの同胞と完治という名の頂きを目指すのである。
決して平坦な道ではないが同胞と共に苦楽を共しながら頂きを制覇する。

制覇した時の同胞の笑顔、それが我々専門職の最高の褒美である。
その褒美を得る為、又、我々は険しい山道を只管登るのである。

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