2010年10月30日土曜日

心・美・体

『心・技・体』はスポーツの基本、『心・美・体』は心理学の基本である。

 
つまり心美しからずば体美しからずや、翻り、心美しければ体美しけりである。

私が大学生だった頃の話。

いつも片手にポテチ片手にコーラという見た目にどうみても”美しくない”人が居た。
”美しくない”という表現を使ったのには意味がある、それは後述するとしよう。

我が大学の学部棟にはちょっとした中庭がある。

夏ともなるとカップルの一寸したデートコースとなり仲睦まじいカップルがテーブルに座り、互いの目を見つめ、愛を語り合っている。

そのカップルを只、じぃっとその娘は見ていた、一切の感情を顔に出さず…。
彼女は私の二つ下の後輩であり、私が大学4年の頃に丁度出会った。

お世辞にでもスマートとは言えぬ体型で且つヘビーではないがスモーカーだった。
笑い方がとても個性的で(笑)それが余計に彼女の”奇異さ”を際立たせて居た。

だが…私にはそんな彼女の”心”の中に”美の種”がまだ眠って居る事を知っていた。
丁度講義が被っていて喫煙所で彼女とは度々出会っていた。

時候の挨拶程度から始まり色々な事を彼女は私に話してくれた。
カップルを見るときの彼女は無表情だが私と話をする時の彼女はとても表情豊かだった。


一生懸命話かける彼女は”可愛らしさ”すら覚える程である。

その内に私の中の”御節介心”が騒ぎ出した^^;。

”この娘を綺麗にしてあげたいな…”

私の中の御節介心はどんどん肥大して行き又それと時同じくして彼女の中でも変化が少し見え始めていた。以心伝心とでも言うのだろうか、彼女も私も実は同じ事を考えていた。

最初に口火を切ったのは彼女だった。

”私綺麗になりたい、勿論自分が醜い事は解ってる、けど今より少しでも綺麗になりたい…”彼女の口から初めて出た言葉だった。その言葉には”決意”が充分感じられた。

私はそこで徹底的な”ビューティー・プログラム”を彼女に敢行する事にした。
先ず彼女に課したのは”ミラー・セラピー”と”フォト・セラピー”だった。

自分自身を鏡に映し、それを自分で見る
自分自身を写メで撮り、それを自分で見る

何れも”今の自分”を知る上で欠く事の出来ないセラピーであった。
又、”自分の中に眠る自分”を目覚めさせる事もこのセラピーの大きな目的の一つである。

鏡に映る”私”には動きがあり常一定していない、写真に写る”私”は固定されていて”一瞬”が切り取れられる。何れも”今の自分”を知る上でとても重要且つ変わる自分を知る為にも、
とても重要なプログラムであった。

当時の彼女にとって”醜い自分”を写真に撮り、鏡で見る事は相当な苦痛であり屈辱であったに違いない。しかし”現実を直視”する事と”現実から逃げず未来のなりたい自分”になる為にはどうしても必要な行為だった。

同時に当時管理栄養士だった姉の力を借りて栄養面でも徹底的なダイエットプログラムを組んで貰った。

大学で栄養学をみっちり学んだ姉のプログラムは正に”完璧”という物だった。

同時にメイキャップ・アーティストの友人とスタイリストの友人の力も借りた。
こうして”美女大作戦”は敢行されたのだ。

1ヶ月、3ヶ月、半年、1年…彼女の努力は果てしなく続いた。
あれほど吸っていた煙草も既に止め、ジャンクフードも口にしなくなっていた。

私と喋る以外は殆ど喋らなかった彼女は徐々に人と接触を持てるようになっていった。
少なかった友達もその数を徐々に増やして行き、あの頃の無表情な彼女ではなくなっていた。

彼女にはこのプログラムが成功した暁には果したい”夢”があった。

それは”我が学部きってのイケメンS君とのデート”であった。
勿論最初の頃の彼女では到底それは不可能に近かった。

しかし…私の中では”絶対出来る!嫌、その願いかなえてみせる!”という確信があった。

ダイエットをしてメリハリボディになってくると意外にも”ナイスバディ”である事が解った。八重歯も矯正し歯並びも良くなった。

流石プロの腕は違うなぁと驚いたのはメ-キャップとファッションセンスであった。

大きめバックを常抱え、サンタさんですか?と言わんばかりに前のめりになって下を向き、足を引きずっていた居た彼女の姿は其処にはもう無かった。

姿勢よく歩くととてもセクシーな歩き方の出来る娘である事が解った。
彼女をちら見する男性も徐々に増え始めたのが何よりの証拠である(笑)

メイキャップの方も彼女はもともと線目だったので目を大きく見せるメイクを施してくれた。
色黒だったのでファンデは明るめ、チークも薄く居れ、ルージュは薄く引かせた。
シャドーも流す感じにしすこしグラデーションをつける様にしてくれた、これで目が引き立った。

正に”使用前””使用後”である(笑)

”美しくない人”だった彼女は今や誰の目からみても”美しい人”になっていた。
そしていよいよ告白タ~イムである。

外見は変わっても中身はあの頃のままの”純真可憐な乙女”である。
私も柱の影でそっと彼女の告白を見守り応援しつづけた(余所から見たらストーカーw)

S君は見た目こそポルノのアキヒトだが如何にせん女性経験に乏しく、
そのギャップが逆に女性には不評で見た目のかっこよさからさぞリードが上手い人だと思われ、いざデートに望むと全然駄目で失恋といういつものお決まりコースだった。

彼も又自らの”外見とのギャップ”に悩む者の一人だったのだ。
そして…見事彼女はS君のハートを射止めデートに漕ぎ着けたのだ^^V

その後まぁ色々あって二人は結果別れてしまった。


だがそれは所謂失恋とかいう物ではなく発展的解消とも言うべき物であった。
御互い目指すべき方向が明確化しその目指すべき方向へ進む為別の道を歩んだと言う事だ。

彼女は今、エアロビのインストラクターとして結構忙しく飛び回っている(と風のうわさに聞いた、何せ海外なので^^;)。

彼女の教室には彼女の”醜かった頃の自分の写真”が置いてある(らしいが見た事は無い)。

それはあの頃の自分を忘れないという意味と貴女もこうい風に変われますよ?という宣伝効果も含まれているらしい(意外とちゃっかりしている^^;)。

『心・美・体』が三位一体となった好例である。

貴女も変わって見ませんか?
貴女の中に眠る『もう一人の自分』目覚めさせてみませんか?

私がそのお手伝いをさせて戴きます<(_ _)>

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