2010年11月23日火曜日

信頼の心理学~或いは待ちの心理学~

夫婦問題専門カウンセラーの第一人者竹中なおよさんのご子息はキャリア官僚。
灘中→灘高→東大→霞ヶ関と絵に描いたようなエリート街道まっしぐらである。

しかしその道は苦難に満ちており頂点を極められるまでの御苦労はとても此処では全てを書き切れる物ではない。
親子二人三脚、息がぴったりと合ったチームワークがあればこそ成しえた偉業であると言っても過言ではない。

誰もがなおよさんの子育て術をお知りになりたいと思われるだろうし、
又それは多くの悩み多き親御さんに是非聞かせて差し上げて欲しい話であると思う。

私自身何れ人の親となった時なおよさんの『子育て術』を是非実行してみたいと思う程。
本当に氏は子育てのプロと言っても過言ではない。

詳しくはご本人から直接お聞き下さるのが一番だが此処では表題にもある”待ち”について語ってみたいと思う。

ご子息がまだ幼少期の頃の話、どうしても靴下を左右反対に履いたり靴を反対に履いたりは誰しも経験が有る筈。
そんな時多くの親は子供に靴下を履かせ靴を履かせ幼稚園のバスに乗り込ませるのが常であろう。
私も1週間姪を預かっていた際同じ事を姪にした覚えがある^^;

だがなおよさんは違った、例え時間が掛かっても只管ご子息が履かれるまで”待たれて”おいでであった。
それは自分の子への”信頼”と”自立”を願えばこその親の愛情、又、ご子息もそれをちゃんと受け取っておられた。

こんなエピソードもある、ご子息が物を誤って壊してしまった時の事。
普通の親なら”何で壊したの!壊しちゃ駄目でしょ!”と頭ごなしに怒るのが常、私も甥にした覚えが^^;。

だがやはりここでもなおよさんの子育て術は違います。

決して怒らず壊れてしまった今の気持ちを聞きその悲しい気持ちを繰り返さない為に次に自分が出来る事を怒らずにちゃんとご子息にお伝えになられた。
ご子息は物が壊れる悲しさと壊してはいけないという学びを得られ二度と同じ失敗を繰り返さなかったという。

物を壊さないように『注意をする』
実はこの『注意をする』という心の作用には二つある。

頭ごなしに怒ってしまった時、次に又怒られないように『注意をする』これは受動的でありマイナスの思考。
なおよさんのように諭した時、次に又自分が悲しい思いをしないように『注意をする』これは能動でありプラス思考。

このように同じ『注意をする』という言葉でも其れを受ける側の気持ちは能動と受動とでは全然違うのである。
これが『東大脳』を作る秘訣の一つではないかと思う(勿論それ以外にももっともっと有る筈だが)。

我も又同じである。

同胞へ指示を出し同胞がそれを失敗をする、此処で頭ごなしに叱ってしまっては今迄の苦労は水の泡である。
それを頭ごなしに怒るのではなく何故それを失敗したのかを分析し其れを次に回避する方法を模索する。

そして何よりその回避策を自らが導き出せた事に対して同胞を心から褒めてあげる。
そうする事により同胞は”褒められる事の喜び”を知り”失敗をしたくない、又褒められたい”という心の動きに変わる。

さすれば心も上向きとなり心の病も快方へと向かうのである。

”反省だけならサルでも出来る”だが如何に反省し繰り返さず成功へと導くか?それは人間しか出来ぬ事である。
サルは人間ではない、人間も又サルではない。頭ごなしに怒っても『北風と太陽』に同じ相手は萎縮するだけである。

どうせ怒るなら成長させる怒り方をしたいではないですか。
私はそう考えます。

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