2011年2月22日火曜日

伝搬性精神疾患の心理学~或いは目に見えない恐怖の心理学~

 ”心の病には伝搬性が有る”とは持論だが此れに賛同を示す人は余り居られないだろう。
だが、事実お身内や配偶者に”心を病まれた方”が居るご家庭のお身内の中には”伝播している方”が少なからず居る。
そして尤も恐い事は”御自身がお心を患われている事を理解できない方”が割りと多いという事で有る。

例えば10数年前の話。

東北ご出身の女性で小さい頃から両親が行商に出ておられ家には余り居られないご家庭の話。
余り行商が上手く行かない時は娘さんを虐待して憂さ晴らしをしておられたらしい(俄には信じられない話)。

その後その娘さんはご結婚なされ何とか虐待からは逃げられたかのように見えたが実際は然に非ず。
今度は嫁ぎ先の両親と配偶者たる夫がお心を病まれており虐待は日常的に行われていたとの事。

勿論娘さんは離婚を申し出るが世間体を気にする嫁ぎ先は断固それをお認めにはならなかった。
彼女のご両親も又、自らが虐待を過去していた関係でそれを認める事は出来ず見てみぬフリをされておられた。

偶々知人の紹介でその方とお会いしたのだが一発で”お心を病まれている事”が解った。
勿論元々は”正常なお心の持ち主”であられた筈、それは”目”を見れば解ります。

されど幼少期に受けたDVのトラウマと結婚後に再度受けたDVとで完璧にお心を病まれてしまわれたのでしょう。
氏御自身は自分の両親と配偶者そしてその両親が如何に異常な人々であるかを訥々と語って居られました。

勿論それその物に嘘偽りは無く恐らく事実でありましょう(彼女の体の見える部分にある痣や切傷等から推察)。
されどそれ以上に彼女自身、感情の起伏が激しく、泣いたり笑ったりを1時間の間何度も繰り返しておられました。

その後一寸した事で意見の食い違いが有りすると今度は鬼の形相で此方を詰り始めます。
まるで自らが過去されたDVを相手にしているかのように…その形相たるや私自身身の危険を覚える程でした。

結局その方はその後我が元へは来なくなりどうなったかまでは知り得る事は出来ませんでした。
されどこのケース又は他の幾つかのケースを鑑みて”お心を病んでいる方の傍に永く居るとその病が伝染する”という事が良く解りました。

”悪い芽は早めに摘まねばどんどん芽が広がり最終的には摘み取れない状態になってしまう”。
私は精神疾患の現状をこのように考えています。

我が同胞も元々は”まともなお心の持ち主”であった筈です。されど余りにも回りに”悪い芽”が有り過ぎた為、
無意識的にそれらが脳へ摺込まれ”正常”から”異常”へと状態変化を起こしてしまったのです。

心理職としてこれ以上”悪い土壌”を増やさない為、そして”不幸な人”を増やさない為出来る事を精一杯やっていこうと思っています。

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