2014年1月7日火曜日

『ジオラマ療法における犯罪抑止について』

『表現療法』の中で尤もポピュラーなのは恐らく『箱庭療法』であろう。 小さな箱の中に砂を入れ場を作り小さなフィギュアを配置していきその配置から深層心理を探るやり方である。 これは場所と手間を要し且つ限られた選択肢の中でしか『表現』が出来ないので『表現』の幅が狭くなりその人の深層心理を探るには私には不充分に思える。 私はこの『箱庭療法』をベースにして更に自由度の高い表現方法を模索し、『ジオラマ療法』を開発した。 『ジオラマ療法』の一番の売りは『自由度』の高さである。 用意する物は施術者と被験者だけ。 砂もフィギュアも必要ない。 必要なのは被験者の創造力だけ。 頭の中で実在する人物を想定しその人物を頭の中で自由自在に操る。 そう、頭の中では彼は創造主となり神となる事が出来る。 その人をどう動かしどう扱いどういう結果になったかを事細かに記述させる。 施術者はその記述を元に被験者の深層心理を探る。 『箱庭療法』と違い自由度が高く制限がない分だけ表現が精緻となりその分施術者に与える情報量はとても多い。 この療法において尤も難しいのは如何にして被験者の創造力を豊かにしそれを克明に記憶させるかに掛かっている。 時には音響効果や映像効果も用いて創造力の補完をする。 その事で被験者はリアルに想像が叶い創造の中で願望達成感を与えられる。 実は私がこの療法を思い付いたのは或る少年との出会いがきっかけであった。 異常な迄の親に対する憎しみと恨みで彼の心は満たされていた。 このまま放置しておけば彼の殺意は何れ現実の物となる事は確実であった。 何とか彼の殺意を消さねばと考えた私はあれこれ試行錯誤した後にこの療法を思い付いた。 彼は頭の中で何度も何度も両親を殺した。数限りない回数殺してきた。 その度に其の殺人方法とその後の心境変化を刻名に記録していった。 すると彼の中で驚くべき変化があった。 何度も何度も両親を頭の中で殺していく内に段々と残忍性が失われていき遂には頭の中で殺す事すら躊躇うようになっていったのだ。 これこそが正に『常態行動』の恐ろしさであった。 何度も何度も両親を頭の中で殺していく内に其の行為が常態化され彼の中の刺激が失われ同時に反応も失われていく。 すると頭の中で両親を殺していく行為事態を疑問視するようになり遂には躊躇うようになっていく。 其の中で冷静に自己分析が叶い何故両親を殺すほど憎らしかったのか其の原因を自らが見つけ改善していく。 その結果完全に両親への殺意は消え、極普通の子供に戻るのである。 私はこれを非行少年にも適用した。 特に犯罪歴を持つ少年少女に。 するとそれまで繰り返してきた非行行為を徐々に繰り返さなくなってきた。 これも又、刺激が薄れた事による反応の薄れが原因である。 こうして多くの非行少年少女を更生させ社会復帰させてきた。 私はこれからもこの療法で多くの非行少年少女を犯罪の魔の手から救いだして行きたいと考えている。

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