常態行動心理学者の瀬木と申します。 ”常態行動”とは人間が普段、無意識的に行っている行動の事。 例えば朝起きて歯を磨き朝食を食べ、仕事をして、昼食を食べ、仕事再開し、帰宅、夕飯食べて、歯を磨いて寝るという一連の行動形態の事を指しています。 その”日常生活の無意識行動”の中に実は様々な問題が内包されている事に多くの方は気付いておられない。その諸問題を解決する為、何かと難しいと思われている心理学と言う分野を解り易く生活に根ざしたテーマを元に説明させていただきたいと思っています。
2012年7月24日火曜日
『復刻版とオリジナルと常態行動心理学』
世は正に復刻ブーム、昭和の玩具から昭和アイドル迄(笑)
特に玩具に関していえば超合金やラジコン等80'sに青春を謳歌した者達には懐古情緒満載で有る。
当時は子供で自由なお金も少なく涙を飲んだ当時の子供が大人となり自由に使えるお金も増え何より『買って貰う』のでは無く『自らが稼いだお金で買う』楽しみを得る事が出来るのは実に興味深い。
私自身もその一人で『キン肉マン』や『聖闘士星矢』等当時買えなかったフィギュアを今更ながら集めているコレクターの一人。
特に今の40代はキンケシ真っ只中の世代でありガチャポンに燃えた経験を持つ者は決して少なくない筈で有る。
されど…実際に当時金銭的自由を得られず涙を飲んだ悔しさを晴らし手に入れた逸品を見て何処となく『違和感』を感じた人も多い筈。
『積年の恨みはらさじ』でやっと切願成就となったにも係わらず…。
では一体何がこの『違和感』を産んでいるのだろうか?
それこそが『常態行動心理学』の核とも言える『五感情報』の違いなので有る。
子供だった当時周りから得ていた『五感情報』と現代の自分が得る『五感情報』は明らかに違いがある。よしんば全く当時と周りが変わらぬ物であったとしても『年代的に感じる違い』と言う物は埋めようがない。
例えば同じ本を読んだ時でも10代の頃読んだ時に感じた事と40代になって感じた事には明らかな"違い"が有る。
それは経年により得た『経験値の有無の違い』つまり『五感情報により得た経験値の有無の違い』と言い換える事も出来る。
これだけはどうあっても埋める事が出来ない物である。
或る有名なエピソードが有る。
作家の夢枕獏氏が長年愛用してきた万年筆がイベント会場で盗まれ数年後それを盗用した人間から謝罪の手紙と盗用した万年筆が戻ってきたと言う。
されど経年により失われた『万年筆の五感情報』を夢枕獏氏は遂に埋め切れずそれを盗用した人に返したとの事であった。
これが『経年による五感情報の誤差』の顕著な例である。
物は『復刻』出来てもその時感じた『常態行動』迄人は『復刻』させる事は不可能で有る。
しかしそれ故に人は『思い出の宝箱』に一生大切な思いと共に五感情報も又、大切に保管出来るのである。
何でもかんでも『復刻』すれば良いというものでは無い。
本当に大切な物こそ『復刻』せぬ事も又、大事なのである。
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