常態行動心理学者の瀬木と申します。 ”常態行動”とは人間が普段、無意識的に行っている行動の事。 例えば朝起きて歯を磨き朝食を食べ、仕事をして、昼食を食べ、仕事再開し、帰宅、夕飯食べて、歯を磨いて寝るという一連の行動形態の事を指しています。 その”日常生活の無意識行動”の中に実は様々な問題が内包されている事に多くの方は気付いておられない。その諸問題を解決する為、何かと難しいと思われている心理学と言う分野を解り易く生活に根ざしたテーマを元に説明させていただきたいと思っています。
2013年10月16日水曜日
災害が齎す常態行動心理学的影響について
日本各地を襲った今年最大級の台風は強風域から外れた今も山口に猛烈な風を吹かせています。
拙作『災害心理学』でも触れましたが、災害がお心に及ぼす悪影響は計り知れません。
しかも今は自宅で世界各地の情報を瞬時に得られる事が逆に作用している現実があります。
余り知られていませんが湾岸戦争後国内犯罪率が一時急増した時期がありました。
警視庁は混乱を避ける為に敢えてデータの公表はしませんでした。
それは第二、第三の愉快犯による犯罪防止の為でした。
余りにREALな戦争実況中継にミリタリーグッズやミリタリーゲームが馬鹿売れしその結果自分もやって見たいという衝動を抑えきれなくなった者達による無差別殺人が行われました。
恐ろしいのは映像を見た直後ではなくそれらは数年後に発症するケースが多いという事です。
それは脳科学における記憶の補完機能がその主な原因です。
生命維持の観点から思い出は時の経過と共に記憶の隅に追いやられる代わりに美化されます。
そしてその人が亡くなるまでそれらは保管されます。
その間記憶はどんどん補完され美化され続けて行きます。
その結果衝動が抑えきれなくなり犯行に及ぶケースがあるのです。
これらも『常態行動犯罪心理学』において詳しく述べています。
災害は物理的被害は勿論ですがこのような精神的被害も後々残します。
それを残さない為にも自然との共生を真剣に考えるべき時がもう目の前に来ていると私は考えます。
今日も元気に頑張りましょう。
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