2011年3月29日火曜日

『風林火山』の心理学~或いは思考性に見る心理学~

武田信玄公の『風林火山』は余りにも有名な戦術の一つとして特にビジネスマンの虎の巻的な感じで後世にも伝えられている。

『速き事風の如く、静かなる事林の如く、侵略する事火の如く、動かざる事山の如し』
迅速に行動し、周りをよく観察し、一気に攻めて、相手の出方を見る、確かにビジネスに於いてこれらは必要な事であるだろう。

されど実はこの『風林火山』をメンタリティーの立場から解説した本という物を私は余り見た事がない。
行動論的な書籍は沢山あるのだが何故か精神論的な教則本と言う物を余りお見かけしない。

私は寧ろこの教訓は『心理学的』にこそ重要ではないか?そんな気がしてならない。
以下私の分析する『心理学的風林火山』を述べてみたいと思う。

『風』…何かを決める時は即決で決め、あれこれと悩まない。一度悩み始めると思考の迷路に嵌り抜け出せなくなるからである。
『林』…『風』の章で即決した事を行う為に『流れ』を読む、幾ら即決しても『流れ』に逆行しては成功を収める事は難しい。
『火』…『流れ』を掴んだらこれはもう『流れ』に沿って一気に突き進むしかない、『流れ』は流動的で直ぐに方向を変えるから。
『山』…事を成したら後はそれをじっくりと腰をすえて『見る』事が大切、成した事によりどう戦況が変わるか?しっかりと見る事。

以上が『心理学的風林火山』の解説である。

ビジネス書に書かれている武将の名言や戦術の多くが『行動論』的書かれ方をしている。
それ自体を否定する物ではないが『行動』を起こす前には必ずそれを起こすに至る『心』の動きが働いているという事。

『行動心理学』は元々、人の動きを見て心の動きを見る学問だが私はこれを敢えて逆に見るようにしている。
演繹法ではなく帰納法的見方を敢えて行い、『心』がこういう風に動いたからこういう風な行動に至ったのだという見方をする。

すると『行動心理学』も結構広い見方が出来るようになり解る事、末来予測も出来るようになる。
出来るビジネスマン、出来る上司とはこれらをちゃんと理解できた物であると私は考えている。

何も事はビジネスマンだけに非ず、人が人と関係を維持していく上でもとても重要な物であると私は考えている。
独り善がりの行動は本人は心地よいかも知れぬが回りからしてみればはた迷惑この上ない。

やはり『戦況を見極める』という事はどんな場面においても必要な物であると私は考える。

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