2011年3月10日木曜日

対人関係の心理学~反目から協調への心理学~

『君、俺の事嫌いだろ?心配するな、俺も君は好きじゃない。お互いがお互いを好きじゃないと解った以上社交辞令は止めで腹割って話そうや』そう私が口火を切ったのは数年前。

今はこの駅には居ないO君の話。

お酒が大好きで生真面目で休みの日はお酒買って家で一人でチビリチビリとやる事を何よりの楽しみとしている孤独を愛する大人しい方。普段は大人しく余り大きな声で話したり騒いだりはしない。

されど時には後輩の職務怠慢の体たらくに激怒し胸倉掴んで怒鳴り散らす激しい一面も持つ。
後輩の面倒見は誰よりも良く彼を悪く言う人は彼の後輩には一人も居ない。

”真面目”を絵に描いた様な人。

去年末、見事契約社員から正社員試験に合格し大阪へ研修の後、我が駅を先日去る事となった。
当駅を去る日、皆から花束を頂戴しそのまま我が元へ。

” 先生お世話になりました、先生と出会った頃僕は先生の軽さが大嫌いで正直軽蔑していました。でもあの時先生に腹割って話そうと言われそれから色々とお話を させて戴く中で単にこの人は軽い人だけでは無かった事が解りました。失礼の段平に御容赦下さい、本当にお世話になりました”と涙を流し頭を下げた。

何も言わず肩を叩きそのまま彼を抱きしめた私の目にも光る物が…。

私の無二の親友でもう10数年の付き合いになる大学時代の後輩のU君もそんな反目関係から親友となったケース。
彼との出会いはもっとショッキングであった^^;。偶々講義が一緒で(学部は同じだがコースは違う)彼の隣の席が空いていたのだが彼の鞄が邪魔をして座れなかったので”退けてくれないか?”と言った時、彼は黙って鞄を余所へ放り投げそのままノートを執り続けた。

最初は”コイツ、なんてやつだ”と思ったが直ぐ、”コイツ面白い奴だな”と思うようになった。
彼は大学近くの本屋でバイトしていて彼の休み時間と私の空きコマが同じで偶に顔を合わせていた。
お互い黙って喫煙所で煙草を燻らせ時候の挨拶を交わす程度だった、其の後教養英語でも隣同士の教室となり、そこでも又、少しずつ会話をするようにしていった。

後に彼は言う、”先輩の第一印象…変!(笑)だって、そうでしょ、こっちは来るな!オーラー全開なのに先輩全然無視でずかずか入ってくるんだもの、適いませんよ(笑)”

それから少しずつ”心の扉”を開き始めた彼はぽつりぽつりと話し始めた。
大学入って最初のバイトで散々な目に遭い其のバイト先が潰れバイト代がパーになった事など色々な話を。

彼の大学時代の恋愛には私は全て絡んでいる(笑)大学時代それが実る事は無かったが”繋ぎ”は全て私が付けたw
彼も又、自分のお気に入りの娘が見つかっては私に紹介し”何とか繋ぎを”と泣きついてきていた(笑)。

人が嫌いで孤独を愛する人だったU君はその後人が大好きで後輩からも同輩からも好かれるいい先輩となった。
”人間論にU有り!”という言葉が出る程彼は成長し”大人”になった。

彼は言う”もしあの時先輩に声掛けて貰えなかったら俺多分大学辞めてましたね、だって面白くなかった物。けど先輩が居てくれたから何とか4年そして大学院の2年を無事出る事が出来ました”と。

彼は部類の洋楽マニアで恐らく日本の五指に入る程の洋楽通。日本のアーティストの某がマイナーバンドの某の曲をそのままパクっていると何時も怒りを露にする程とても洋楽を愛していた人だった。

彼との約束、それは”一本の映画を作る事”。

自主制作の短編でいい、彼が音楽担当、私が脚本、監督は彼の友人が務めてくれるという。
彼の音楽センスは私も認めているし私の文才も彼が買ってくれている(勿論友人の映像技術も)。
何時になるかは解らぬが何時か実現出来たらと願っている。

最初は反目し合う中でも人はきっと解り合える。私はそう信じています。

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