常態行動心理学者の瀬木と申します。 ”常態行動”とは人間が普段、無意識的に行っている行動の事。 例えば朝起きて歯を磨き朝食を食べ、仕事をして、昼食を食べ、仕事再開し、帰宅、夕飯食べて、歯を磨いて寝るという一連の行動形態の事を指しています。 その”日常生活の無意識行動”の中に実は様々な問題が内包されている事に多くの方は気付いておられない。その諸問題を解決する為、何かと難しいと思われている心理学と言う分野を解り易く生活に根ざしたテーマを元に説明させていただきたいと思っています。
2012年12月21日金曜日
人が人を愛する常態行動心理学的メカニズム〜或いは私が貴方を愛した幾つかの理由〜
人が人を愛するメカニズムは生物学的には全く色気の無い話であり単に種の保存の法則に則り優勢遺伝子を残す為の行為であると言う味もすっぽもない話。
されどこれを生物学的ではなく心理学的取り分け常態行動心理学的に考察すると又、違った面白さ(意地悪さ?)がある。
自分が幸せである事を誰かから愛され愛している事を堂々と公言する人が居る。
まぁ多くは芸能人なのだが偶に一般人でもそういう人がいる。
周りからすると惚気やがって厭味な奴と思われるか幸せな人ねと揶揄されるか。
だが言ってる本人は残念ながら惚気でも脳天気でもない、言わば牽制である。
先に述べた通り生物学的には人間は幸せを本来的に隠す習性がある。
犬が餌の骨を隠すのと同じ、これは他の犬から自らの獲物を守る為である。
人間も生物である訳だから当然隠したがるのが普通である。
されどそれを敢えて公表する人がいる。
何故か?その事により自らの防御力を上げ生命維持率を上げたいからである。
自分がこれだけ愛せる人がいる事を示す人の中には二種類ある。
自らが愛情深い人である事をアピールする人と自らがこんなにも深く愛せる人を得ている事を自慢したい人と。
何れにせよ自己アピールでありそれは生存本能が成せる業である。
これを策略ではなく素でできる人が居る、これこそが常態行動の妙である。
所がこれは余り喜べる事ではない。
これを素で出来ると言う事はそれだけそれが常態化していると言う事である。
裏を返せばそれだけお心の奥に不安を内包させている事の現れでもある。
お心に不安が無ければ人にアピールをする必要性はない。
人間は必要のない行動は決して取らない。
裏を返せば行動にはその行動がどんなに奇異に見えても御粗末に見えても必ずそれを行う理由がある。
人に自らが深く愛する人がいる乃至は愛してくれる人がいる事をアピールする人はその奥で深い不安と常無意識的に戦っている。
それは深く愛したい、愛されたいと思う裏返し。
これを以前或るお金持ちのお嬢さんに直球でぶつけた事がある。
彼女は地位も名誉も美貌も有り勿論資産家の娘さんでもあった。
自らが多くの男性から愛されている事を自慢し又自分自身も愛情深い人である事を懸命にアピールしていた。
だが、心の奥底で彼女自身は知っていた。
彼ら求愛する男性の殆どが彼女の地位や名誉や財産や体のみを欲している事を。
だが彼女自身それを認めたくはなかったのだ。
それを私はズバリ見抜きそれを本人の目の前で告げた。
勿論烈火の如く怒り全否定されどその行為自体が我が言の正しさを証明していた。
それから間も無く彼女は彼女の”副次的産物”しか愛さない男性陣を全て排した。
つまり全財産相続権を放棄し家を出たのだ。
無一文となり何も持たぬ彼女に魅力を感じない男共は皆去って行った。
されど一人だけ彼女の側に付き従う男性が居た。
彼女の嘗ての使用人であり常身の回りの世話をしていた男性である。
自分には貴方を雇う金は既に無いと言っても彼は彼女に付き従い進んで身の回りの世話を焼いた。
お嬢様育ちで何も出来ない彼女を心配しついてきたのだ。
最初は正直鬱陶しかったらしいが彼の誠実な気持ちに気づいた彼女は彼を心底愛するようになり数年ご結婚、貧しい暮らしながらもとても幸せな人生を送ったと言う。
お金も大事、地位や名誉も時には大事かもしれません。
されどこのカップルを見れば解る通りそれらは副次的産物でしかありません。
本当に大切な物は何か?をこのカップルは教えてくれた気がします。
貴方のパートナーは本当に貴方を愛していますか?
貴方自身は本当にパートナーを愛していますか?
今一度その胸に問うて見て下さい。
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