2014年2月13日木曜日

思い出の心理学~或いは人はパンのみに生きるに非ずの心理学~

『人はパンのみに生きるに非ず』とは聖書の中のイエス・キリストの言葉。 では、人は何に生かされているのか? それは『思い出』に生かされている。 随分昔の話だが配偶者を亡くされたご老体が自殺をしないかとその御子息が我が元へ御母上様を連れてこられた。 亡き夫の幻覚を見たり夫の後を何度も追おうとしたらしい。 私は彼女の家での生活がどうであるかを聞いて思わず其を指示した人間の愚行に激怒した。 事もあろうに馬鹿精神科医が亡き夫の面影を残すなと亡き夫との思い出の品を全て捨てさせたというではないか。 この蛮行に怒りを禁じ得なかった。 人間の脳は刺激に反応する。 お腹が空けばお腹が鳴る。 水分不足となれば喉が乾く。 では人が亡くなれば? その人の面影を探してそれがもしも見つからなければその人が居る場所へ旅立ってしまう。 そう、亡き夫の思い出の品を全て処分する事は亡き夫への思慕をより強めより生に対する執着を退けてしまう。 そんな心理学の初歩的な事すら知らずよくもまあぬけぬけと看板を掲げている物だと私は激昂した。 されどこのご婦人一番大切な品はちゃんと隠しておいたらしい。 そのご婦人に私はこう申し上げた。 『もしも貴女と御主人が逆の立場で天国から下界を眺めた時、御主人が悲嘆に暮れて毎日死ぬ事ばかり考え、或いは身内の隙を伺いそれを実行しようと試みる姿を見た時に貴女ならどう思われますか?御主人の気持ちを嬉しいと思いますか?御主人の行動を容認できますか?』と。 『いいえ!』とご婦人はきっぱりと断った。 『例え私が先に逝っても主人には下界で楽しく生きて欲しい。そして時々でいいから私の事を思い出してほしい』と。 私は激しく頷いてこう申し上げた。 『ならば今の貴女のお姿を見て御主人は喜んでおいででしょうか?毎日悲嘆に暮れて毎日死ぬ事ばかり考え、或いはそれを実行しようと試みる貴女を見て。御主人は何時も笑顔で元気で明るく女性としての自分を忘れず常、若々しく綺麗で居てくれる事を望まれるのではないでしょうか?』 ご婦人ははたと気づかれ涙を流し自らの愚行を恥じ、此れからは天国の御主人が悔しがって下界に降りてくるような魅力的な女性になると約束をしてくれました。 私はその後御子様方々に『年齢を意識させる物を処分し年齢を意識させる言動を慎む』事を申し伝えました。 其からの彼女は激しく変わりました。 メイクも服装も年齢不相応に若返り回りの度肝を抜きました。 最初は戸惑いを御身内も隠せなかったそうですが私の指示に従い年齢を意識させる言動は一切しませんでした。 そして下は10代から上は70を越えるボーイフレンドを複数作り天寿を見事全うされ弔問には多くの殿方が訪れたという事です。 その殿方が口々に同じ事を申されておいででした。 例えどんな場面でも彼女は体の関係を許さず清い交際を貫き通したと。 それはあたかも天国に居る御主人に見せつけているかのようなそぶりだったと。 私はその言葉を聞いた時、やはり彼女は生涯旦那さん一筋を貫いたのだなと思いました。 人を生かすのはお金でも地位でも名誉でも美貌や出自ではなく人を生かすのは『愛』だと彼女の行動が私に改めて教えてくれた剃んな出来事でした。

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