道端でしゃがんでいる女性が居た。
どうも顔色が悪く血流の流れが悪い事は肌の色で分かった。
私は直様駆け寄り”霊気ヒーリング”にて血流の流れ促進を始めた 。
”あの…”と彼女は声を掛けたが”黙ってろ、集中できん”と一喝 しそのままヒーリングを続けた。
暫くして血流の流れが良くなった事は彼女の掌の血色を見て分かっ た。
呼吸も正常に戻り顔色も元の色に戻ったようだ。
”もう安心だ、まだまだ暑いから成るべく日陰がある場所を選んで 移動し暑い時間帯の外出は極力避ける事だな、じゃあな”
私はその場を立ち去ろうとした、だが彼女は私の足を止めた。
”あの…お代は?”
”はぁ?此処は俺のヒーリングスペースじゃない、貴女は私の同胞 でもない。例えば道に誰かが倒れていてその人を治す術を自分が持 っている。貴女ならそのまま見過ごせますか?”
私は言った。
”嫌、何も出来ないまでも誰か人を呼ぶか自分が出来る事をします !”
と彼女は真っ直ぐに私の目を見て言いました。
”俺も同じ事を貴女にしただけだ。生憎余り高尚にオツムができて ないもんでね、直情型と言うか短絡思考と言うか頭で考えるより行 動が先に立つ馬鹿だからね”
俺は後ろ手に手を振りながらその場を後にした。
何度も何度も彼女が私に頭を下げている事に気づきながら。
…10年後。
ヒーリングスペースが近所にできていた。
何でも美人施術士が施術をしてくれるらしいと報を受けた。
駅通りに有ったので窓越しにチラッと顔を覗けて見た。
其処には10数年前顔面蒼白で倒れていた彼女が喜色満面の笑顔で 同胞に施術をしていた。
一生懸命同胞に向かう姿は立派なヒーリストだった。
いやぁ、又、一人強力なライバルを作っちゃいましたねw
これじゃあ儲からない訳だwww
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