2012年6月16日土曜日

心理職にとって最高の報酬とは…

『先生私の事嫌いでしょ?』 『んあ?何で?』 『だって文句ばっか言って何時も怒られるし褒めてくれないし絶対私の事嫌いなんだ…』 『じゃあ聞くが今迄君の周りに居た野郎共は君に一人でも苦言を呈した物が居るかね?』 『嫌、誰も私に苦言を呈した者は一人も居なかった。先生みたいに誰もボロカス言わなかったよ。プンプン』 『だよな、それで君が心の病を罹患しその後彼らはどうなった?それでも君を褒め称えてくれたかね?君の側に寄り添ってくれたかね?』 『そ、それは…』 『君に嫌われる事を恐れる人間は君に苦言なんぞ呈さず甘言を述べ君にお伺いを立てるさ。されど君に旨味が無くなった途端そういう奴らは皆去って行った。翻り君に苦言を呈し君に嫌われる事も厭わず君の心の闇を祓う事だけを考え君を叱咤激励し引っ張って行ったのは誰だ?』 『…先生。』 『他には?』 『…居ない』 『もう一度聞く。君を嫌いな人間が態々君に嫌われるような態度を取って迄君の病に付き合うか?』 『…多分付き合ってくれないと思う』 『なら君を大好きで君を守り支え治したいと思う人なら?』 『そりゃあ真剣に接してくれると思う…今の先生みたいに。ごめん、先生。私誤解してた。』 『わかりゃいいさ。それに俺は君に謝って貰いたいとは思わない。君に好かれたいとも思わない。君の心の闇が晴れて君が君らしく生きてくれればそれが俺の願いさ』 『…先生。』 その後彼女は見事心の病を克服、保母さんに復帰したが彼女が復帰した途端彼女が罹患後直ぐ離れて行った野郎共がノコノコ戻ってきたと言う。何食わぬ顔をして…。彼女はそんな連中全員に膝蹴りを一発お見舞いし即バイバイし今はルックスはイマイチだが誠実さだけは誰にも負けない彼氏と幸せな日々を送っているという。 それが心理職で有る私への一番の報酬である。

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