常態行動心理学者の瀬木と申します。 ”常態行動”とは人間が普段、無意識的に行っている行動の事。 例えば朝起きて歯を磨き朝食を食べ、仕事をして、昼食を食べ、仕事再開し、帰宅、夕飯食べて、歯を磨いて寝るという一連の行動形態の事を指しています。 その”日常生活の無意識行動”の中に実は様々な問題が内包されている事に多くの方は気付いておられない。その諸問題を解決する為、何かと難しいと思われている心理学と言う分野を解り易く生活に根ざしたテーマを元に説明させていただきたいと思っています。
2012年6月7日木曜日
荷卸し鬱と常態行動心理学
最近『荷卸し鬱』に悩む人が増えている、特に東日本大震災以降この病の知名度は飛躍的に増えた。
『荷卸し鬱』とは今迄大きな悩みを抱えていた人がその悩みが解消した後罹患する鬱である。
実はこの『荷卸し鬱』にも常態行動心理学が大きく関与している。
一般的な解釈だと大きな悩みが解決したのだから鬱を発症するのは可笑しいとするのが一般的であろう。
だが実際は然に非ずである。
『常態化』とは悩みの大小軽重に依拠しない。
『長く同じ状況が続く事でそれが当たり前となる事』を指す。
それは幸不幸を選ばない、幸も不幸も大きければ大きい程常態化はしやすくなる。
つまり自分が感じる悩みが大きければ大きい程それが常態化した後の喪失感は大きな物となる。
それが『荷卸し鬱』の正体である。
東日本大震災以降目の前に有った瓦礫が処理され空き地が広がり辛く長い避難所暮らしから解放された人達もその辛く長い避難所暮らしが常態化しそれから開放された時その喪失感から『荷卸し鬱』を発症する人が急増した。
それを解消する方法は幾つか有る。
一番早く確実な方法は『荷卸し鬱』が発症した場所を離れる事。
『荷卸し鬱』の元は『荷卸し鬱』を発症する前と後の五感情報の誤差がその元である。
その誤差が大きければ大きい程『荷卸し鬱』は重篤な物となり完治しにくくなる。
其れを解消する為には『発症前の自分が五感情報を得た場所』から離れ『新たな五感情報を得れる場所』に移動し脳内情報をアップデートする事により
『荷卸し鬱』の『荷の重さ』を忘れ鬱を治す事が出来る。
今一つは『新たな自分』を作る事。
『荷卸し鬱』を発症した自分ではない『新たな自分』を作る事で器自体を変え過去の記憶をアップデートする方法で有る。
その為には『自己の持つ多面性』を知る事が大事で有る。
『荷卸し鬱』を発症した自分だけで無く『荷卸し鬱を持たない自分』も知るという事。
それを知る事で自らに逃げ場を与え『荷卸し鬱』を改善して行くのである。
『荷卸し鬱』は薬では治らない。
一時的に改善されても完治はしない。
やはり『自分自身の力』でのみ症状は改善され完治する事を失念してはならない。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿