常態行動心理学者の瀬木と申します。 ”常態行動”とは人間が普段、無意識的に行っている行動の事。 例えば朝起きて歯を磨き朝食を食べ、仕事をして、昼食を食べ、仕事再開し、帰宅、夕飯食べて、歯を磨いて寝るという一連の行動形態の事を指しています。 その”日常生活の無意識行動”の中に実は様々な問題が内包されている事に多くの方は気付いておられない。その諸問題を解決する為、何かと難しいと思われている心理学と言う分野を解り易く生活に根ざしたテーマを元に説明させていただきたいと思っています。
2012年5月27日日曜日
常態行動に於ける向上性と依存性について
セラピストに就て20年以上が経過し今、常態行動心理学者として我が身を振り返った時新たな発見があった。
常態行動には実は大まかに分けて二種類有る、『向上型』と『依存型』である。
先ず前者の例から…我が門を叩き『自らの本質』に気づき病を克服し我が門を意気揚々と去り数年後、又、我が門を叩く人がいる。
勿論病が再発した等と言う物ではなくソーシャルステータスもポジションも上がり見た目には全く問題がないように見える。
実際今の氏に何らかの問題が有る訳では無い、それでは何故我が門を再び叩いたのか?
或る経営者の例をとってご説明しよう。
氏は自らが経営する会社の部下が多くヘッドハンティングされ優秀な人材を多く奪われている事に頭を悩ませそれが元で鬱を発症し我が門を叩かれた。
元が元故に中々精神科やカウンセラーの方に診て貰って薬を処方されても悩みの根本的解決には至らなかった。
偶々ネットで私の事を知り我がBlogを読まれ氏的に思う所が御有りとなり来訪された。
そして部下への接し方や鼓舞の仕方に問題が有る事を指摘し改善策を伝授差し上げた。
早速帰りそれを実行なされ見事成功、以降ヘッドハンティングされ優秀な人材を他社に奪われる事は無くなった。
そればかりか社長の手腕を聞き伝てに聞いて是非社員にと入社希望者迄出てくる始末。
社長の顔も以前のしかめ面から恵比寿顔となり私への報酬も上乗せを戴いた(笑)
それから数年後又、来訪されたので此方としては驚いた訳なのだ。
社長の会社の評判は我が耳にも入っており順風満帆問題が有る様にも見えなかった。
すると社長から思わぬ申し出を受けたのであった。
我がセラピーにより自らの本質を知り部下の指導法も解り経営者として又、指導者としても格を上げる事が出来た。
すると自分の格はこんな物じゃなくもっと上に上がれるのではないか?その為には更なる御指導を受けねばならぬと言う事で来訪されたのだった。
何せこういう再訪のされ方は初めてだったので少し戸惑いは感じたが私も心理職の端くれ、期待を掛けられれば応えたくもなる。
其処で前回とは違う人格向上プログラムを組み実行、これも見事成功しその後会社の売上は飛躍的に向上し株式上場を果たす事が出来た。
これが『向上型』の正に好例である。
翻り『依存型』の悪例は以下のような物。
内臓を煩われた事からそれが元で職を辞さなくてはならなくなりそれが元で精神を止まれた。
精神科の門を幾つも叩くも納得の行く治療を受けられずこの方も偶々ネットで私の事を知り我が門を叩かれた。
氏には重篤な妄想癖が有りそれが病回復を妨げていた。
勿論妄想であり真実ではないので一生懸命患者が現状を説明しても専門家の目には勿論真実とは映らずそれは貴方の妄想ですとしか言えない。
されど氏の中ではそれは間違いなく『真実』で有る訳なのでこの医者は駄目だと医者を変える、されど勿論其処でも同じ事を言われる。
同じ事の繰り返し、結局氏の妄想癖は悪化する一方であった。
其処で私は先ず氏の妄想を『真実』とし氏の考えは間違いではなく正しい事を容認した。
人間の深層心理は不思議な物で禁止には敏感に過剰反応するが容認には余り反応を示さない。
其処でやっと同胞は我が意を射たりと得心し氏の長年の溜飲は見事下げられた。
氏を長年悩ませていた問題は解決し心の病も見る見る回復傾向になり既に我がセラピー不要という所迄回復して行った。
そろそろセラピー終了を告げた途端急に氏の妄想が又、頭を擡げてきた。
だがこれは勿論フェイク、私から離れたくないという意思表示であった。
されどそれでは双方が困る。
丁度ガス壊疽で長期入院となり氏と離れざるを得なくなった。
氏も其処迄我儘は言えず不承不承承諾し自らの足で歩き始めた。
私が退院を果たした頃には既に依存型は治っていた。
双方安心し今も氏は頑張っている。
以上二つの常態行動について御報告申し上げる。
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