嘗てロンヤスという呼び名でお互いを呼び合っていた中曽根康弘元・総理大臣とロナルド・レーガン元大統領時代、諸外国は中曽根氏の態度を見て”風見鶏”と揶揄していた。
アメリカの言う通りで右を向けば右、左を向けば左、日本人としての誇りも何も無い総理だと…。
私の周りにも、というか日本人気質というべきかそういう人はとても多い。
私はフェミニズムを大学時代専攻していた為女性学についてはある程度の知識を有している。
私がセラピストとして活動をして行く上でフェミニズムを学べた事はとても大きな意義を持っている。
もし私が女性学を学ばなければ今よりもっと男性寄りの意見を持つ人になっていたかもしれない。
一部の女性からはフェミニストと言われるがそれは大学時代フェミニズムを学んだ事が大きい。
日本に於ける女性の地位向上について声高に叫ぶ方々がいる。
上野千鶴子女史を筆頭に日本のフェミニズムの草分けたる研究者方々は皆口々に女性の社会進出向上について延べられている。
雇用問題のみに言及すればそして雇用条件を無視すれば女性の方が雇用状況は男性よりも遥かに良いと言われている日本である。
しかし結局は世間体や収入面そして何より健康面で選択肢を選べば男性雇用よりも遥かに雇用率は下がる。まだまだ日本が女性にとって”優しい国”ではない事を如実に物語っているだろう。
故に我が同胞に女性が多いと言う事も或る意味当然といえば当然の結果なのかもしれない。
セクハラやパワハラなどまだまだ社会的に女性が被害者となるケースがとても多い。
痴漢被害についてもそうである。
最近は冤罪事件が幅を利かせ、本当に痴漢被害に遭っているにも係らず女性が無職で男性が管理職だと、冤罪事件として扱われるケースも少なくない。
酷いケースとなると逆に侮辱罪で訴えられるケースもある程だ。
私はそういう社会的権力を傘に横暴を振るう人間を断固許さない。
確固たる証拠を集め警察署へ後輩を通じて提出、逆転勝訴させたケースは決して少なくない。
あるケースもそうだった。
部内ではとても優しい上司で女性職員の受けも良くとても面倒見の良い上司が居た。
筋道をちゃんと通す人で男性職員による女性職員の差別にも対応してくれる良い上司だった。
偶々同じ部内の女性職員とその上司の上役そしてその上司の三人が同じ車両に乗り合わせた。
上役は早くからその女性職員に目をつけ狙っていたが全く女性職員は意に介さない様子。
それを面白く思わない上役は女性に満員電車で在る事を良い事に痴漢しまくったという。
勿論女性も只黙って居る訳じゃない、次の駅で降り上役を痴漢で訴えたのだ。
当然、証人として彼女の直属の上司も呼ばれた、その場に同席していたのだから当然である。
しかし上司は知らぬ存ぜぬの一点張りで全く彼女の味方にはなってくれなかった。
そして帰り際に一言”私にも生活があり家族もある、解ってくれ…”と…彼女はそこで全てを悟った。
彼女は上司以外の目撃証言を集めた。幸い違う部署だが同じ電車に乗り合わせた男性がいた。
上役は圧力を掛け証言もみ消しに掛ったが男性職員はその圧力に屈する事無く証言台に立った。
そして事細かに仔細を語りそれが決定打となり上役は痴漢の罪で刑に服することとなった。
帰り際、男性は女性に深々と頭を下げたと言う。
”あの時もしも私が声を掛け痴漢を止めさせていたらこんな嫌な思いを貴女にさせる事は無かった。
僕も怖かったんだ、今の生活を失う事が…でも、解った。人間には失っちゃ行けない物があるんだってだから証言台に立った。明日俺は会社に辞表を提出するよ”と…。
だが彼の上司はその辞表を受理する事は無かった、それより不正を正した彼を褒め称えてくれた。
彼の英断により会社の評判も上がり売れ行きも上がった、その後彼は見事昇進まで果したのだ。
もし彼が彼女の上司のように風見鶏で右向けば右左向けば左の人ならこんな事にはならなかっただろう。彼が”ぶれない心”の持ち主であったからこそ彼自身の後の成功にも繋がったのだと思う。
私の周りには周囲の意見に流されコロコロと意見を変える人がいる。
昨日まで赤だと言っていた人が突如嫌、やはり青でしたという人はとても多い。
正直頭を抱えるばかりだがそういう人は私の周り意外にも少なくないと聞く。
私は青い物は青だというし赤い物は赤だと言う、赤い物を青いというつもりは毛頭無い。
TPOによって言葉や態度を変える事は大切だとは思うがそれもやはり時と場合に限る。
今まで私側についていた人がある時一寸した仲違いでいきなり敵陣営に寝返るケースもままある。
日和見主義の際たる物だが私はそういう人間を信用はしないし交流を持ちたいとも思わない。
幸いそういう方は私とは反りが合わないらしく向こうの方から立ち去ってくれるケースが殆どである。
過日もそういう風見鶏というか日和見主義者の方から讒言を頂戴しそして去っていかれた。
正直周囲の受けもすこぶる悪く私の周りの方々は氏と友好関係を結ぶ事に反対の姿勢を持っていた。だが私にとって氏は学ぶべき所がとても多く又人生の先輩として尊敬できる部分も沢山あった。
向こうから距離を置かれる事が無ければ恐らく一生このまま友好関係は結べていたと思う。
だが相手は私から距離を置かれそして周囲はその事にとても喜びを見出している。
恐らく氏と私が今後歩み寄ると言う可能性はゼロではない物の互いの周囲の状況を考えてみても大変困難と思う。その困難を乗り越えるほどの物をお互いが見出せれば又話は別なのだが…。
私はブレない、嫌、職業柄ブレては行けない立場に私は居る。
昨日は赤、今日は青、明日は白という人間を誰が信用できるだろう。
我が同胞は私のこの”頑固一徹さが好き”だと言ってくれているし私も彼らと同意見である。
時に頑固を貫く事はとても苦しいし辛い事だが私はこれからも頑固一徹は貫いていきたいと思う。
それが”私と言う一個の人間”であるという事の証だからである