2010年10月23日土曜日

スミマセンの心理学~或いは自己逃避の心理学~

我が同胞の中に直ぐ何でもかんでも謝る癖の人が居る。

最初は私も”いやいや、別に謝らなくてもいいですから”と優しく接していたが回数を重ねる毎に段々腹が立ってきた。

そして遂にその方に言いました。
”貴方は謝る事で逃げていませんか?とりあえず謝っとけ、そうすれば事は丸く収まるからと思っていませんか?”と。

勿論相手は激しく頭を振りましたが私にはそうとしか思えなかった、そしてこう言いました。

”謝る事は簡単です、只、ごめんなさいといえばそれで済む。でも謝るという行為は自らの愚行を反省し次から同じ失敗はしませんという意思表示でもあるんですよ。でも貴方は謝るけれど同じ過ちを何度も繰り返されている。それは本来的に謝った事にはなりません”と…。

多少キツイ表現である事は私にも解っていたしそれが氏の心を抉り傷つける事も十分解っていました。
でも時として人は”心に傷を負う事”で解る事もありますしそれでしか”解らない事”もあると思います。

氏は兎に角何でもかんでも今まで謝って謝って謝り通して生きて来た、急場凌ぎを繰り返して生きて来た。
謝られた方はそりゃあ悪い気はしないですからそこで許しますよ、でもそればかりではその人の進歩は其処で止まってしまう。

私はその氏の”謝り癖”を何とか矯正したかった、”謝る”のではなく”改める”方向にどうしても導きたかった。

故に”此処では今後一切”ごめんなさい”という言葉は禁止します。
その変わりそういう場面になったら”以後改めます”と言って下さいそして”以後改めます”という言葉を吐いたら必ず”改めて”下さい。

同じ失敗を二度以上繰り返した段階でセラピーは中止しますと…。

相手はとても驚きとても落ち込んでいたが私は敢えてそこで甘い顔は一切せず厳しい表情でその人を見つめ突き放しました。

それが氏の何十年にも渡って氏自身を苦しめてきた”悪癖”から救い出す唯一の方法だと思ったから。

それからは氏はとても”言葉を選んで”物を言うようになりました、とても一つ一つの言葉を”丁寧”に扱うようになりました。

これこそが私が求めていた物であり氏に学んで欲しかった事なのです。

それまでの氏はとても言葉を安易に安直に余り考えもせず頭に浮かんだ事をそのまま口にしていました。
その事により何度も失敗をしその度に彼は”ごめんなさい”といってその場を凌いできました。

ですがそれを敢えて”禁止”する事で言葉を発する前に一度”考える”という1クッションを与える事にしたのです。
そうして一言一言の言葉を”大切”に扱う事により氏の失敗は激減し、今度は上司から褒められる様になりました。

又、それは”綺麗な言葉を使う”事にも有用だったのです、それまで氏は言いっ放しでしたので”汚い言葉”を使っていました。

でも”一度発する前に考える”という行為をするようになってからそれまで使っていた”汚い言葉”から”綺麗な言葉”に変わりました。

すると今まで気付かなかった”他人が使う汚い言葉”にも氏は敏感に反応するようになりました。
それまで氏の周りに沢山居た”汚い言葉を使う方々”から徐々に彼は距離を置き、逆に”綺麗な言葉”を使う方に属するようになりました。

そして最終的には彼は職場の誰からも”苦言”を呈される事が無くなる人となる事が出来たのです。

”謝る事”はとても簡単な事、でも”改める”事は簡単な事ではありません。
ですがその”改める事”こそが”本当の自分”と出会う契機となる場合もあるのです。

先ず何でもかんでも”謝る”前に一度自らの行為を”改めて”みましょう。
するときっと貴方の事を本当に理解してくれる人に貴方は囲まれる事になるでしょう。

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