2010年10月24日日曜日

仕事人の心理学~中村主水に見るプロ意識の心理学~

嘗て仕事人中村主水はこう言った。

『俺達はゼニ貰って人を切ってる、ゼニ貰わねぇで人を切っちゃあ単なる人斬りだ。
 このゼニにゃあ死んで行った者達の恨み辛みが一杯詰まってる、それを忘れちゃならねぇ』と…。

氏は一度たりとも”タダ”で仕事はしなかった。
例え一銭たりとも頂戴しその”ゼニ”で仕事を請負った。

芸人が素人相手に説教する番組が有りそこである芸人が素人の何気ない一言に怒りを露わにした事がある。

芸人になりたくてコンビを組むも中々芽が出ない、そこで相談に来たというのだが素人がプロの芸人に対してこういう。

”一度コントを此処で見せて下さいよ”

この言葉に芸人がキレた。

”なら金払え、俺達はお客様からお金を頂戴してそれでコントやってるんだ。遊びでやってるんじゃねぇ。此処でタダでお前らにコント見せろだ?調子に乗ってんじゃねぇぞ、コラ”とそりゃあ物凄い剣幕だった。

まぁキレ方には少し問題が有ったかも知れぬが氏の怒りその物は十分理解できる。

それこそ血の滲むような努力をし辛酸を嘗め会得した言わば”術”をタダで見せろと言われてもはい、そうですかと簡単に見せれる物じゃないし、見せてはいけないと思う。

同じ事は我にもいえる。

嘗て喫煙所で同胞と色々と話をしていた際、若造が偉そうに絡んできた。
”人の心が読める?面白い、じゃあ俺が今何考えているか充ててみろよ”と。

明らかに侮蔑の表情を浮かべ挑戦的な視線を投げかけてきた。
私は言った、”仕事としての依頼なら受けよう、しかし君のお遊びに付き合う暇は無い”と。

相手は言った”ほらね、セラピストだか何だか知らないが結局何も出来やしない”と…。同胞は怒り狂っていたが私はそれを制し、その場を退出した。

帰り際私は一言だけ彼に言い残してその場を去っていった。

”○○の癖は止めた方がいい、恐らく君の大切な人にも余り良くは思われていない筈だ”と…。

彼は口に咥えた煙草をポトリと落とし、目を見開き、膝はガクガクと震えていた。

○○の癖とは恐らく彼が長年苦しんできた”ある性癖”でありそれは彼の”外見”からでは”絶対に見抜けない”筈の”癖”であった(敢えてどういう癖かは伏せます)。

だが、人間の癖は必ず”目”に出ます。

我々本職にある人間は”行動”や”仕草”だけでなく殆どの情報を”目”で得ます。
”目は口ほどに物を言い”は本当の話、”目”ほどその人の人となりを雄弁に語る物は有りません。

この話には実は後日談があります。

恐らく仕事場で利用させているホテルのフロントで私の事を聞いたのでしょう。
数日後、私を待ち構えていた彼は土下座モードで私に”癖を直してほしい”と懇願。

実は間もなく結婚する事になっているがその”性癖”がバレたら縁談は御破算になる
それだけは絶対に避けたいと…過日のあのデカい態度は何処へやら彼の目には”真剣さ”が宿っていました。

同席していた同胞は”あんな無礼な奴、放っておきましょう、先生を侮辱したのですから”と言いましたが私は彼の手を取り”治療は厳しいですがついてこれますか?”と尋ねました。

彼は何度も頭を縦に振り、それならばと彼の”依頼”を受ける事にしました。
数週間後…数年に渡った彼の”性癖”は見事彼の記憶から完全に消え去りました。

その後、彼は無事結婚、今は二児のパパさんとなっているそうです^^V

どんな仕事でもそうですがやはり”プロ意識”だけは常、持って居て欲しいと願います
そしてその”プロ意識”を維持する為、常努力する姿勢は持ち続けたいと願います。

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