言葉の心理学～言葉は凶器にも癒しにもなりえる～

うつ病自殺、上司言動が一因と認める判決

　「日本通運」大阪旅行支店（大阪市中央区）に勤務していた大橋均さん（当時５６歳）がうつ病となり、自殺したのは退職強要が原因だったとして、妻ら遺族３人が同社に計約５０００万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が１５日、大阪地裁であった。

　田中敦裁判長は「自殺は予見できなかった」としたが、上司の言動がうつ病の一因になったことは認め、慰謝料約３３０万円の支払いを命じた。

　判決によると、大橋さんは２００４年６月にＣ型肝炎で入院。翌月、うつ病になり、０６年１１月に自殺した。

　田中裁判長は、大橋さんの入院前後に、上司が「自分から身を引いたらどうか」などと発言したことについて、「精神面を含む健康管理上の安全配慮義務に違反する」と指摘した。

　日本通運広報部は「判決内容を検討して対応を決定する」としている。
－－－－－－－－－－－－私の日記の中にある”サルにでも解る心理学”をお読み戴ければ上司が申された事が如何に”人の心を慮らない軽言”かがお解かり戴けるかと思います。

心理職となって20年余り、こういうケースで我が門を叩かれる方は残念ながら毎年増えている。
余りに酷い場合（つまりパワハラに該当する場合）は私が出向いて処理します。

最悪、訴訟に発展するケースも有りますが訴訟になった場合は勝てば官軍負ければ賊軍です、勝って当然、巻けたら即アウト。故にこちらも相当の覚悟と準備が必要となります。

そして何より裁判で決着が付くと一応の解決は見る物のお互いの”遺恨”は必ず残ります。
私はなるべく”遺恨”が残らないやり方を進めています。
何処でどう人間が繋がっているか解りません、なるべく”遺恨”は残さないに限る。

ではどうするか？

先般より此方で何度も書かせていただいているが”心の向き”を変える事が大事。
マイナス方向ばかり目が向いている心をプラスの方向へ軌道修正させるのだ。

言うは易しだが行うは中々難しである。

だが逆を言えば難易度は高い物の出来ない事ではない。
事実、我が門を潜ったパワハラ被害者の内、殆どがその後社会復帰を果たしている。

”敵を知り、己を知れば百戦危うからず”と孫子の『兵法』にも記されている。
敵を知る事は案外簡単だが、この場合難しいのは寧ろ”己を知る方法”である。

”己”を知る為にはまず”己を映す鏡”の存在が必要不可欠である。
だが、この”己を映す鏡”という奴が実は結構厄介な代物である。

近隣の者は”己”という存在を熟知していると同時に”固定概念”も又持っている場合が多く”己を映す鏡”としては余り適当とはいえない。

つまり、親・兄弟、知人などは余り”あてにはならない”という事である。
寧ろ遠くの友人や初めて会う人などの方が”余計な予備知識”が入っていない分だけ
客観的にその人の事を分析してくれる場合が多い。

私の場合もなるべくその方の”個人情報”は頭に入れず”頭を空”にしてその人を見る
そしてその人の長所、短所、得意、不得意を瞬時に判断する。

心理職に身を置く者ならば”目”を見れば大体の情報を入手することは出来る。
逆を言えば”目”を見て全てを見抜けなければ心理職はお辞めになられた方が良い。

本当に”心を治す事を生業としている”と言われるので有るならば出来て当たり前。
それが”心理職”と名乗る資格の有る者だと私は自負している。

閑話休題

言葉は”生き物”である、故に一度発した言葉は二度と”元には戻らない”。
故に軽々しく言葉を発してはならないし自らの言動には”責任”が伴われなければならない。

特に我々心理職にある者ならば”慎重の上にも慎重を期して言葉を発する”。
言葉で人は”癒され”言葉で人の心は”殺され”もするのである。

高が言葉と言うなかれ、たった一言の言葉で戦争に発展した例も過去の戦争の中には幾つもあるのだ。

言葉を甘く見てはならない、言語を発し解する能力を持つのは人間のみ。
なればその言語を正しい方向へ使いたいではありませんか。

私も元・宣伝部に席を置いていた人間である。
人を育てる立場に居た人間である、故に”言葉の大切さ”は痛感している。

特に心理職となってからは更に”言葉の大切さ”を日々痛感している。
人は”言葉によって生かされ言葉によって殺される”事を常、肝に銘じている。

”美しい言葉”をはきましょう、”癒しの言葉”をはきましょう。
さすればそこに”プラスの場”が出来ます。

自分を含めた皆が笑顔の方が世の中楽しいじゃないですか。
そのお手伝い、私がさせて戴きます。－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－